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ちゃんとしたい。


by sattyra1017


さくら学院の閉校が発表されたのに伴い、何とも言えない感情ミルフィーユに久しぶりにざくりとフォークが突き立てられ、何かが切断され、寄る方ない気持ちになる。これを、何か言葉にしなくては、と妙に焦るのだけれど、上手くまとまらず、結局、自分が凡庸な父兄だったころの文章を読むことのほうが、なにかふさわしい気がして。


そこで、半分は備忘録として、当時書いていたアマゾンのレビューを時系列順にまとめてみることにした。もう半分は? それはもちろん、わたしがいちばん、熱く、美しかったころのことを知ってほしいから、ですよ。ではどうぞ。


(作業途中。続きます)


「さくら学院 2010年度 〜 message〜」


願いに形があるとするなら


〈まちがってたら/ごめんなさい/教えてもらって/ありがとう〉

このタイトル曲でもある「message」のワンフレーズ。でも『そんなうまくいくかよ。そんなに単純なもんじゃないよ。』と、少し大人になれば誰でも知っていること。しかし、このフレーズのなかにこそ、さくら学院の魅力が端的に表現されています。それは、『でも、そうあって欲しいな。彼女たちなら、自分たちが知っているのと違う世界を見つけられるかもしれない』という期待です。作家たちはおそらく、さくら学院だから、あの歌詞が書けるのだろうと思います。そして、さくら学院だから、その歌を歌いきることができる。圧倒的なピュアネス、透明感、そして、美しいユニゾンの持つ高揚感と多幸感。


さくら学院の出発点であり、彼女たちの歩みが進むたびに存在感も増す基準点でもあるファーストアルバム。ライヴでも定番の「Fly away」「Hello! IVY」。そして、楽曲派アイドルファンだけでなく、音楽通まで骨抜きにした「Dear Mr.Socrates」は、とにかく聴いてみてよ!としか言いようがないほどのきらめきに満ちています。さくら学院の行方に幸多きことを祈って星5つ!



「さくら学院 2011年度 〜friends〜」


現状、星5つ付けたい



ルックスもスキルも粒ぞろいの成長期限定ユニットによる2011年度版のアルバム。


始業のチャイムから始まり、各部活動(=派生ユニット)の発表を挟んで、卒業式の定番曲で締めくくるという明快ながらも美しい流れ。「ピクトグラム」のようなちょっとクールな曲も、しっかりと雰囲気に馴染ませてるところに彼女らの成長と挑戦を感じます(この曲は、メンバーの佐藤日向&杉崎寧々監督、さくら学院撮影のMVも見事です)。「学校エンターテイメント」というコンセプトがほとんど完成に近付いた1枚です。


特にアルバム2曲目「FRIENDS」は、ロック歌謡として文句の無い出来上がり。溢れる輝きは木村カエラ「Happiness!」を初めて聴いた時の印象に似ています。サビの「どんなときも 大切なもの それは「友達」だって 言えるような 私にしてくれて ありがとうね」というラインは、他者との出会いと承認を優しい言葉で描き、凡百の友情ソングと一線を画すことに成功しています。


さくら学院はとにかくプレミアムなグループです。本当は星5つ付けたいところですが、2012年度も期待! というわけで星4つです。オススメ!


「さくら学院2012年度 〜my generation〜」


成長と充実。何よりみんな楽しそう。


中元すず香体制によるさくら学院2012年度のアルバム。

NARASAKI作曲、本気のダウンカッティングが印象的な重音部「ヘドバンギャー」に始まり、幼稚園チャートナンバーワンも夢じゃない、かわいいは正義を体現するクッキング部。そこはかとないスカ/カリプソ? それともへなちょこロカビリー? 独自の路線を突き進む帰宅部。待望の渋谷系、おしゃれポップス職人宮川弾による楽曲から放たれるきらめきは、テニス部の4人の声とも相性抜群。先行シングルでテン年代のJ-POPを更新した科学部は新曲も絶好調。上品なメロディの中を暴れまわるベースとドラム。しかし、決してエキセントリックな印象は見せず、グルーヴしていくアレンジには冨田恵一に通じるセンスを感じます。


そんなこんなで、とにかく部活動の充実が嬉しい今年度ですが、やはり最後は中元さんのアルバムということになるのでしょう。ブリットポップ(まさかの)なソロ曲「桜色のアベニュー」からの切なさを内包する疾走感を、そのまっすぐな歌声で引っ張ります。さくら学院を語る上で欠かせない「ユニゾンの美しさ・多幸感」にとっても、中元さんの声がいかに重要だったか。その存在感の大きさに改めて気付かされます。


とにかく毎作が重要作。この瞬間でしか味わえない輝きを、今捕まえるべき!もちろん名盤確定なのですが、来年度への期待も込めて、星4つ!


「さくら学院 2013年度 〜絆〜」


エースの不在から生まれる最高傑作



成長期限定ユニットさくら学院の2013年度のアルバム。

堀内まり菜会長を中心とした今年のサブタイトルは「絆」。絶対的なエース不在となった今年のさくら学院はアルバム冒頭から本隊の存在感を見せます。突き進むような輝きを放ちながら、部活曲(ユニット曲)にいくまで4曲。これまでのアルバムで最長です。


その後の部活曲はさすがの完成度。ブレないキュートさのクッキング部。一気に雰囲気をクールに変える科学部と常春の解放感を感じさせるテニス部はどれだけ素晴らしいと言っても、過大評価になることはないでしょう。

終盤は、さらに畳み掛けます。サビのユニゾンが強固な一体感を作る「IJI」、これまでのストーリーをなぞるかのようなさくら学院にしか歌えない友情ソング「未完成シルエット」、そしてすべてが報われるような暖かさと希望に満ちた「Jump up」。


ここまで歌詞を嘘偽りない心で響かせられるグループは他に無いでしょう。与えられたブックではなく、自ら紡ぎ出した物語を背負って、集大成となるようなアルバムを作りました。ライヴや日誌、インタビューなどを巻き込んで、多層の見方をするほど、深みも増すアルバムです。ここで星5つ、出すしかないでしょう!


「さくら学院 2014年度 〜君に届け〜」


フォーミュラ・さくら学院



さくら学院にとっては恒例の2014年度を総括するアルバム。

一応、5thアルバム、ということになるのですが、さくら学院はそのコンセプト上、まったく同じメンバーでのアルバムが1枚も無いため、アルバムごとに、不思議な洗練と新鮮さがあります。もちろん、それは5枚目となった今作でも同じです。


アルバムは祝祭感あふれる自己紹介ソング「目指せ! スーパーレディー」から始まり、前半はアイドルらしい弾けるような歌声とサウンドが楽しめます。可愛さを限界までチューンナップした菊地最愛、やや上ずったピッチが中毒的な魅力を生む水野由結、ユニゾンを押し支えるパワフルさをもつ田口華、線が細くてもしっかりした芯を感じさせるようになり、蠱惑的な響きをもつようになった野津友那乃という最高学年の4人の歌声のグラデーションが色鮮やかで、ソロパートもユニゾンも聴かせるというさくら学院と製作陣の意気込みが伝わります。個性豊かな在校生には申し訳ないのだけど、やはりさくら学院のカラーは中3のカラーが濃い、ということに改めて気付かされます。


部活動を挟んで(購買部は名曲! これを待ってた新聞部以来のさくら学院パワーポップ・リヴァイヴァル!)、後半は弾むビートが気持ちいい「宝物」から表題曲「君に届け」まで一気に感動曲線駆け上がります。CDをリピートすることをためらわせるような、物語を読み終えたあとのような余韻と、カタルシスがあります。


これこそが、「さくら学院」というフォーミュラ(型)によって生み出される多幸感だと突きつけてきます。菊地最愛、水野由結という当世アイドルシーンにおいても比肩しうる存在のないプレイヤーを擁し、そして脇役というには勿体なさすぎるメンバーによって、ルックス・パフォーマンス・キャラクターともに、最強となったのが2014年のさくら学院。2013年のようなドラマはなくとも、2012年のようなスーパースターがいなくとも、2011年のようなマルチロールなリーダーがいなくとも、さくら学院はこれだけの多幸感を生み出せるということの証明です。

これを越えるのが、2015年の使命。もちろん全面支持です。そのための星4つ!!


# by sattyra1017 | 2020-09-01 21:33 | 音楽・鑑賞

あまりにもやもやしたので、まとめてみたいと思いました。映画「青の帰り道」を観ての感想と、自分なりに青春映画について思うことを書こうと思います。




まず、青春映画は、成長物語です。主人公(たち)が事件、出来事をくぐって成長していくお話です。全ての映画はそうですが、特に若い登場人物が少年/少女から大人へなっていく青春映画にとっては、特にその手さばきが大切になります。




映画「青の帰り道」では、同じ高校を卒業した7人がその後、バラバラの進路・夢に向かって、もがくお話です。まずはその土台となる高校生活について。




「カースト、クラスタを無視した友人関係にリアリティはあるのか」




主人公たる男女7人のうち、ヤンキーが男子2人(リョウ、コウタ)、女子1人(マリコ)。陰キャラ女子1人(キリ)。高偏差値エリート男子1人(タツオ)。真野恵理菜さん演じるカナと、冨田佳輔さん演じるユウキだけがハッキリとした描き方をされていませんが、ここまでで相当違和感ありません? 地域住人がごった煮になる中学校ならまだしも、入試がある高校で?




という違和感を抱えたまま観ているので、もうここで、7人の関係が「仲が良い」というテンプレの貼り付けみたいに見えてしまう。せめて、ヤンキー2人とタツオが仲良くなるエピソード(ほら、喫煙がバレて逃げてるシーンがあったんだから、そこにタツオがいて、事無きを得る、とか、タツオの部屋がたくさん出てくるから、そこで喫煙して、「やめろよ」って言うとかさ)があればな、と。


「桐島、部活やめるってよ」はまさにカーストとクラスタの青春映画でしたが、大後寿々花演じる部長のサキソフォンがなぜあんなに切ないかって、それが、「現代の身分違いの恋」的な断絶を含むからです。野球部キャプテンがなぜあんなに輝いてるのかって、そこから完全にフリーになっているからです。




しかし、ここまでは、7人にとって「あの頃は良かった」シーンだから、まぁ、ファンタジー成分多めでもいいでしょう。いいです。




「そこは落とし前つけようよ、というところは、つけた方がよいのでは」




物語は東京組と、故郷(高崎)組に分かれます。さらに、上手くやってる組と不本意に暮らす組と分かれます。ここのパートはこの映画の中で1番きれいにハマってた場面だと思います。




そう言えば劇中で「政権交代」というワードが出てきましたが、あれは何のメタファーだったのでしょうか?「夢を描いたけど、挫折した」って意味? なら野田退陣までやろうよ。というような、「そこは落とし前つけようよ」という場面が頻出します。




本人は何も悪くないのに、不幸の道を突っ走るキリ(清水くるみさん。この人は「おとぎ話法廷」の乙姫様といい、なぜこういう役が似合うのでしょうか)が、自分の存在に疑問をもち、「自分なんていなければよかった」という場面。それを聞くタツオの父という超大事な場面。ここは、タツオから同じ言葉を投げかけられたこともあった父の出番だ! 行け! タツオの父!(演じるのは平田満さん。私の親戚の親戚)




しかし、いかない。タツオの父は投げられたボールをキリの母にパスするだけ。




東京、高崎を問わず、自力でサバイブするリョウ。学生時代の飲酒・喫煙は卒業したので不問としよう。高崎時代の銅線ドロボーも仕事をクビになったので良しとしよう(ダメだと思うけど)。そんなリョウが東京に来て始めるのは、オレオレ詐欺の「掛け子」。しかも、抜群の才能を発揮して、「目標3億」をクリアするための主力にまでなる。






が、これ以降、特にオレオレ詐欺に関する描写なし。でも、不問とするのはマズイでしょう。最後の方でカナの担当ディレクターをブン殴ったのは逮捕されたみたいだけど、それよりマズイ。リョウは物語が終わっても成長していない。




てっきり僕は、犯罪行為で金持ちリョウVS安月給で生活苦コウタ、もしくはリョウVS安月給で地獄のノルマとパワハラに耐えるユウキのシーンがあるのかと思った。もちろん、どっちもなかった。




そんな中で、唯一、しっかりと落とし前をつけたのが、キリが東京で出会う結婚詐欺師。彼は声かけ役の男とコンビでキリに近づき、写真家と身を偽り、キリと恋愛関係になります。一時はキリの孤独な心を救いますが、やがて金と暴力で彼女を傷つけるわけです(このシーンの清水くるみさんときたら……いやいや倫理的にダメなんですよ。ダメなんですけど、とても素敵でした)しかし、キリより前に関係をもっていた女性による通報で逮捕。「写真家というのも嘘なんでしょ」と言われた彼は「初めは、ホントだったさ」と悲しく呟きます。




ここで、彼は落とし前をつけたと思うんです。彼もまた、東京に敗れた者であり、敗れた故に犯した罪に、罰が下されたわけです。




そういうシーンこそ、落とし前がついたシーンこそ、胸に残るのではないでしょうか。物語が決着していくということではないでしょうか。




このようにこの映画は落とし前がつかないことがとにかく多く、結局何も片付けていない。キリだけが、田舎へ帰り、家庭とも和解し、友情を取り戻し、自分のアイデンティティを獲得しているように見えます。




「地方都市、そんなに良いところですか?」




主人公たちの友情の土台となり、コウタとマリコが息子と幸せな家庭を築き……というように、牧歌的で暖かなものとして映画で描かれる地方都市・高崎ですが、ホントにそんなにいいものなのでしょうか?




もちろん、映画の中にも地方の行き詰まりは描かれています。商店街は朝夜問わず、シャッターが降りていますし、コウタとマリコ夫妻に、2人目がいないことも、経済的な難しさを表しているように思います。




にもかかわらず、故郷・高崎は、包容力のある大人たちが住み、傷ついた若者が無条件に心癒すことができる場所になっています。そんな分かりやすいものなのでしょうか。その対比として冷たく、享楽的で、心の狭い大人が住む街として東京があるのも、そんな分かりやすいものなのでしょうか。




アニメですが「バースデー・ワンダーランド」では、主人公が異世界に行き、その世界の「自然が豊かで美しい」ことに感動しつつも、帰ってきたあと、江戸川沿いのような都会の河川敷を自転車で走りながら「あっ」と呟き、気づかなかった自分の世界の美しさを見つけるシーンがあります。そのことで主人公の変化・成長を表現しています。




東京の描き方が変わらないことは、主人公たちが変化もせず、成長もしてないように見せてしまいます。これはやっぱりマズイでしょう。ラストは東京組を笑顔で送り出して欲しかった。そうでなければ、せめてカナがアル中の治療施設でピアノを弾くシーンがあるとか、リョウが高崎でライブハウスを開いて、(ライブハウスのくだりも落とし前つかなかったですね)、ユウキがそこに再就職するとか、高崎に戻るなら戻るで新しい道を進むところを見せて欲しかった。もっと言うと癒しと安らぎの高崎ドリームランド映画であるなら、もっと高崎推しして、ご当地映画にしてしまえば良かったのに……(その希望すら奪う高台のシーンは、正直、驚きました。なぜあそこでロケをすることになったのか。思い出の田んぼ道との齟齬が大きすぎやしないか)




繰り返しになりますが、そんな群像劇の中で、キリだけが、自分を取り戻してるんです。ということは、この映画の芯は、キリの成長であり、すなわち演じる清水くるみさんが魅力的に映っているので、成功なのです。




お前だって、清水くるみさんが目当てで見に行っただろ?


その通り!




なので、満足なのですが、「うわー!もーやーもーやーすーるー!」と思ったので、まとめてみました。こうすると、自分が青春映画、というか、日本で暮らすことを描く映画に求めることが何なのかよく分かりました。




良い点はもちろんありました(年代によってウワサ話の描写が違うのは面白かったです)し、基本的な技量は高い監督さんだと思います。今後も公開準備作がいくつもあるようなので、フォローしていこうと思います。


# by sattyra1017 | 2019-05-03 23:37

新しい不思議な旅へ


5月3日、渋谷WWW。amiinaがamiinAと改名しての再始動ライヴ。そのイベント自体の素晴らしさは色々なところで語られている通りです。L.E.D.、あら恋でわかった人力ダンスミュージックとの相性の良さ。いつも通りに持ち味を出した3776、ブクガの強さ。新しい熱を手に入れてきたコウテカ。アイドルネッサンスは終わらない成長期を感じさせてくれました(特に自分はデビューだったTIF以来のライヴだったので、驚きばかりでした)。

そして、amiinA。

このイベントはその名前が示す通り、旅をテーマにした仕掛けがいくつもあります。各出演者の出番前にはスクリーンに「1st destination is...」(最初の目的地は…)と表示されるし、会場に飾られたフラッグは公開直前の船のようです。そして何より水先案内人の存在。役者さんが登場して、訪れる目的地(アーティスト)を紹介します。「まず最初に立ち寄るのは3776メートルの山の麓に住む、一人の少女の世界…」というように。

その水先案内人は新しいamiinAを紹介する中に、こんなような一節がありました。

「赤い炎の少女は/その勢いを増し/やがて狼のようになりました/そんな少女のもとに/舞い降りた/白い鳥」

赤い炎の少女というのが、amiちゃんのことを指すのは、その性格や衣装のトレードカラーを知っている人であればすぐにわかります。ということは、白い鳥こそが、新しいメンバー。出番直前のムービーが投影され、2人がステージに現れる。1曲目は知らないイントロ。新曲! シンセのパッドが流れる。照明が当たる。新メンバーの姿がはっきりと映し出された瞬間、どきりとする。歌い出しは彼女から。澄んだ歌声が、まっすぐこちらに伸びてくる。

自分は言葉を失います。
まさに、白い鳥。

その後のamiinA新メンバー、miyuちゃんがいかに素晴らしく、チャーミングだったか。新しいステージに入ったamiちゃんがいかに力強く、美しかったか。ということについては、ツイッターはじめ、ネットの海ではいくらでも見ることができるはずです。

さらに、自分は付け加えさせていただきたい。ここまでイメージが共有できるアイドル、運営、ヲタが他にあるでしょうか。自分たちは白い鳥を求めていたわけではなかった。しかし、そこに白い鳥が現れれば、「これしかない!これが見たかった!」と感じることができる。「作家が読者にできる最大のサービスは、期待を裏切ることだ」と言ったのは筒井康隆だったような気がしますが、日本全国でこれを今、実現できてるのはamiinA周辺、wonder traveller!!!シーンだけのような気さえします。「あら恋」との対バンなんて予想もしなかったし、アーティストもファンも誰も期待していなかったでしょう。しかし、終わってみれば、「これしかない!これが見たかった!」としかやっぱり思えないわけです。これは単なる全肯定のようでいて、実は非常にシビアな、そして幸福な営みです。その幸福なシーンの中心がamiinAであり、その後に訪れるのであろう快進撃であるなら、こんなにすばらしいことはないでしょう。

さあ、あなたも一緒に不思議な旅へ。
スタートはできるだけ早く、がオススメです。
# by sattyra1017 | 2016-05-07 00:07

2月13日に寄せて。

2月13日、土曜日、amiinaのライヴが行われた。脱退するかわいみいなのラストステージ。ここでもamiinaはやっぱり「らしく」て、節目だからワンマン、ではなく、ライムベリー、963、校庭カメラガール2、3776、そしてシークレットのデスラビッツというこれまで親交の深いグループとの対バン形式のライヴだった。しかも、お馴染みのコウテカ、3776、デスラビだけじゃなく、まだ日の浅い963や、主催ライヴでの共演経験のないライムベリーをブッキングするあたりも非常に、「らしい」。

要は節目のライヴでありながらも、現在と、それに続く未来しか見てないのである。

これで最後という実感がまったくわかない。チームamiinaの凄さは端的に言ってしまえば、そういうことだと思う。かわいみいなという片翼を失う瞬間であっても、その強さがある。だから、ライヴはあんなに熱かったし(ライムベリーのMiriちゃんが一番輝いてたのは、客演した「キーメーカー」だった)、ふたりが気合が入りつつも、リラックスしている(自信に満ちている)様子は頼もしくもあった。2回目の披露になる新曲「breathe」は咀嚼され、格段に良くなっていた。「canvas」での客のコーラスはこれまでで1番の音圧だった。言葉が届き、音が響く。それから、あみちゃん、みいなちゃんのふたりの手紙にはセレモニー感、言ってしまえば卒業式感がとても希薄だった。でも、それは感動が希薄だったということじゃない。目頭、熱くなったよ。

それは別れの悲しみや寂しさよりも、出発の祝福が勝っていたということなんだと思う。
デスラビ部長さんのスピーチが、よく会場に染み渡っていたのも、そういうことだと思う。

かわいみいなさん、おめでとうございます。
山井あみさん、おめでとうございます。
あなたたちの新しい出発を心から祝います。
# by sattyra1017 | 2016-02-16 23:43

amiinaから、みいなちゃんの脱退が発表されました。12月の名古屋、それから2月の東京でのライブをもって、とのこと。

・かわいみいなより
http://bit.ly/1NzDarj
・スタッフより
http://bit.ly/1NzD6YF
・プロデューサー齊藤より
http://bit.ly/1NzDaYB

amiinaのライブを初めて見たのは、去年の秋。朝11時くらいの出番で、曲は3曲ほど。たしか、「RunBlue」「マインドトラベル」「drop」。もしかしたら「キーメーカー」もあったかもしれない。とにかく、僕は「drop」にやられてしまいました。音源で聴いていたはずなのに、曲のもつ静かな祝祭感がCDと同じレベルどころか、それ以上に表現されていて、ステージ上の2人は巫女か妖精かのような神々しさと可愛らしさで輝いていました。終演後、「これはすごい。間違いない」と確信して、書いてきたファンレターと自分のバンドの音源を渡しました。その時、齊藤プロデューサーと「amiina、名古屋に届いてるんですか?まじっすか?」「いやいや、これは届くべきものですよ!絶対に名古屋にお呼びします!」という話をしたのを覚えています。

amiちゃんとmiinaちゃんは、「名古屋?名古屋?しゃちほこだー!」とはしゃいでいました。
ピュアにもほどがあります。

その後、3月に自分の企画「白昼夢を二度見る」で名古屋へ呼ぶことが叶いました。アイドルはamiinaだけ。他は地元のインディバンド、というどう考えてもアウェーな雰囲気の中、amiinaとmembers(amiinaファンの総称)のみなさんは、いつも通りの最高のライブをしてくれたのでした。

その時、来てくれた方のテキストです。主催者よりも分かってる!うれしい!

https://note.mu/embed/notes/nac3128ea82af

(ちなみに対バンしたバンド勢も軒並みamiinaファンになりまして、第2回にお客さんとして共演者として参加してくれることになります)

第2回の「白昼夢を二度見る」は半年後、今年の9月に行いました。半年ぶりに会った2人は「しゃんとしてる」と思いました。顔つきのせいかもしれないし、姿勢のせいかもしれない。その前週には新潟での主催ライブ、平日は学校とかなりタイトなスケジュールを乗りこなしている彼女らは確実にタフになっていて、所作・振る舞いにそれがにじみ出ていました。特にmiinaちゃんはバンドT(キュウソネコカミ)を着て、明らかに前よりも自覚的に音楽を求めている感じがありました。そして時折、妙に大人びた表情をする時もありました。(ついさっき連絡があった名古屋バンドのパーカッション担当は「あぁ、みいなちゃん、寂しげな感じがあったよね」と言っていました。もしかしたら、その時すでに胸の中には期すものがあったのかもしれません。)

特別企画として、わがままを通させてもらい、「illumina」「drop」「I'm home」の3曲で共演させてもらいました。本当にありがとうございます。この時の写真も映像も音声も何も残っていません。素晴らしいと思います。

12月、東京での第3回「wonder traveller」はこれが2015年だったという完璧なラインナップでした。上昇気流が渦巻いていく新宿Reny、その中心にamiinaがいる。感極まるあみちゃんに、優しく包むようなみいなちゃん。美しく、調和のとれた名シーンですが、彼女たちのこれからがはっきりと分かれていく証拠となるシーンでもありました。涙ぐむあみちゃんに、「おいで」と声をかけるみいなちゃん。

迎えには、行かない。
一緒に涙を流したりも、しない。
「あみや他のアイドルさんを応援したいと思うようになりました」

思い出しながら泣けてきたので、このくらいにします。チームamiinaはずっと真摯であり続けました。卒業、というクリシェではなく、まっすぐ脱退と言ったみいなちゃん。単に本人の意思を尊重するだけでなく、「自分で考え、人生を切り開いていく年齢になったのだと思います」と彼女たちの成長を認めるスタッフさん(妹尾さん?)、「前のみを向いて突き進む。それがamiinaであって、それ以外に存在する理由がない」とチームamiinaのリーダーとして宣言した齊藤プロデューサー。

こんなことをこんな時に言うのはおかしいかもしれませんが、「amiina membersで良かった」と心から思います。地方の弱小零細企画の主催ですが、変わらぬ応援をすると誓います。また名古屋に呼びます。絶対に呼びます。きっとそのときは、僕らの予想をはるかに超えて、魔法をかけて、絵を描いて。


でもさ……… クソ寂しいよ!!

# by sattyra1017 | 2015-12-23 10:46